
相続は突然生じることがあります。
心のどこかで他人ごとと考えていたり、親子間で話しにくいから考えないようにしている方は決して少なくないでしょう。
しかし、相続はいつか必ず生じます。
相続が発生した場合には、被相続人の死亡に伴う各種届出等から、相続放棄等の期限、所得税の準確定申告、相続税の申告など多くの手続きを必要とします。
すぐには判断できないと思えるようなことも、期限がある中で進めていかなければなりません。
余裕がない中で進めると、相続でもめるようなことに発展するかもしれません。
突然の相続で慌てないようにするために、どのようなことに備えておくべきでしょうか。
今回は、突然の相続で慌てないための対策について、お話し致します。
遺産分割協議

父が亡くなった後、疎遠であった兄が突然、遺産分割協議書を持って家に来ました。
「今月中に署名押印するように」と言われましたが、署名押印してもよいものでしょうか。
遺産分割協議書の内容を確認せずに、あるいは、内容に納得していないにもかかわらず、署名押印する必要はありません。
必ず遺産分割協議書全体に目を通し、納得できる内容かどうかを確認してから署名押印するようにしましょう。
「今月中に署名押印するように」と言われましたが、署名押印してもよいものでしょうか。
遺産分割協議書の内容を確認せずに、あるいは、内容に納得していないにもかかわらず、署名押印する必要はありません。
必ず遺産分割協議書全体に目を通し、納得できる内容かどうかを確認してから署名押印するようにしましょう。
遺産分割協議書とは
相続人全員の合意なくして被相続人の遺産を分割することはできません。
遺産分割協議の合意内容をまとめた書面を遺産分割協議書といいますが、相続人のうち誰か1人でも遺産分割協議書の内容に同意しなかった(署名押印していない)場合は、その遺産分割協議書は法律上有効な書類としては認められません。
遺産分割協議を行うにあたっては、次の調査や確認等を行ないます。
【相続人の確定】
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本等による調査。
【遺産範囲の確定】
預金通帳、固定資産税納税通知書や証券会社からのお知らせなどの郵便物、確定申告書の確認。
【遺産の評価方法の確認】
原則として、遺産分割を行う時点を基準に、総遺産の経済価値を評価。
遺産分割協議の合意内容をまとめた書面を遺産分割協議書といいますが、相続人のうち誰か1人でも遺産分割協議書の内容に同意しなかった(署名押印していない)場合は、その遺産分割協議書は法律上有効な書類としては認められません。
遺産分割協議を行うにあたっては、次の調査や確認等を行ないます。
【相続人の確定】
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本等による調査。
【遺産範囲の確定】
預金通帳、固定資産税納税通知書や証券会社からのお知らせなどの郵便物、確定申告書の確認。
【遺産の評価方法の確認】
原則として、遺産分割を行う時点を基準に、総遺産の経済価値を評価。
遺産分割協議が調わない場合
遺産分割協議が調わない場合は、次のステップとして。遺産分割調停に移行することになります。
一部の相続人が作成した遺産分割協議書の内容が不明確であったり、内容に納得がいかなかった場合は、遺産分割協議書に同意をしないことが考えられます。
この場合は、遺産分割調停の中で、遺産分割についての自分の意見を具体的に主張しましょう。
なお、遺産分割調停でも合意に至らない場合は、遺産分割審判の手続に移行します。
また、遺産範囲に争いがある場合は、遺産確認の訴え(遺産確認訴訟)を提訴する必要があります。
一部の相続人が作成した遺産分割協議書の内容が不明確であったり、内容に納得がいかなかった場合は、遺産分割協議書に同意をしないことが考えられます。
この場合は、遺産分割調停の中で、遺産分割についての自分の意見を具体的に主張しましょう。
なお、遺産分割調停でも合意に至らない場合は、遺産分割審判の手続に移行します。
また、遺産範囲に争いがある場合は、遺産確認の訴え(遺産確認訴訟)を提訴する必要があります。
遺産分割協議は10年以内に行うこと
民法改正により、特別受益と寄与分の主張が、相続開始時点から10年以内に制限されることが定められました。
そのため、相続開始時点から10年が経過すると、遺産分割協議が成立した場合を除き、法定相続分によって遺産が分離されることとなります。
未分割の状態が長期間継続することは、二次相続が発生するなどのリスクもあり、ほかの相続人等に対し協議を働きかけることや、10年以内に遺産分割調停の申し立てを行うことが推奨されます。
なお、改正法の施行日は、2023年(令和5年)4月1日ですが、施行日より前に被相続人が死亡していた場合にも効力が及びます。
そのため、相続開始時点から10年が経過すると、遺産分割協議が成立した場合を除き、法定相続分によって遺産が分離されることとなります。
未分割の状態が長期間継続することは、二次相続が発生するなどのリスクもあり、ほかの相続人等に対し協議を働きかけることや、10年以内に遺産分割調停の申し立てを行うことが推奨されます。
なお、改正法の施行日は、2023年(令和5年)4月1日ですが、施行日より前に被相続人が死亡していた場合にも効力が及びます。
不公平な相続

「母が亡くなり、相続人は私と弟の2人です」
「法定相続分ではそれぞれ2分の1になります」
ただし次のような事情があり、少々納得できません。
これらを考慮した遺産分割はできないものでしょうか。
1.「弟が家を買うときに、母が資金援助をした」
2.「弟は母と会うたびに数万円の小遣いをもらっていた」
3.「私と私の妻は母の身の回りの世話をしていた」
民法では相続人間の公平を図るために、遺産分割における計算上で、遺産の先渡し(特別受益)や、被相続人の療養看護等に努めたものへの利益の分配(寄与分)を考慮できる場合があります。
また、被相続人の親族が無償で療養看護等を行った場合、特別寄与料の支払いを請求することができる場合があります。
「法定相続分ではそれぞれ2分の1になります」
ただし次のような事情があり、少々納得できません。
これらを考慮した遺産分割はできないものでしょうか。
1.「弟が家を買うときに、母が資金援助をした」
2.「弟は母と会うたびに数万円の小遣いをもらっていた」
3.「私と私の妻は母の身の回りの世話をしていた」
民法では相続人間の公平を図るために、遺産分割における計算上で、遺産の先渡し(特別受益)や、被相続人の療養看護等に努めたものへの利益の分配(寄与分)を考慮できる場合があります。
また、被相続人の親族が無償で療養看護等を行った場合、特別寄与料の支払いを請求することができる場合があります。
遺産の先渡し(特別受益)
特別受益とは、遺贈のほか、婚姻や養子縁組のため、または生計の資本として、被相続人から共同相続人に贈与された金銭等をいいます。
例えば、婚姻の際の持参金・支度金や、大学の学費・入学金などが特別受益に該当する場合があります。
※大学の学費入学金については、被相続人の資産状況、社会的地位に照らして、子に対する扶養の範囲内にあたるか否かを検討し、この範囲を超えた場合に初めて特別受益と評価されます。
今回のケースでは、「弟が家を買うときに、母が資金援助をした」の資金援助は、生計の資本として特別受益に該当すると判断される可能性が高いでしょう。
「弟は母と会うたびに数万円の小遣いをもらっていた」のお小遣いは、特別受益に該当しないと判断される可能性が高いでしょう。
例えば、婚姻の際の持参金・支度金や、大学の学費・入学金などが特別受益に該当する場合があります。
※大学の学費入学金については、被相続人の資産状況、社会的地位に照らして、子に対する扶養の範囲内にあたるか否かを検討し、この範囲を超えた場合に初めて特別受益と評価されます。
今回のケースでは、「弟が家を買うときに、母が資金援助をした」の資金援助は、生計の資本として特別受益に該当すると判断される可能性が高いでしょう。
「弟は母と会うたびに数万円の小遣いをもらっていた」のお小遣いは、特別受益に該当しないと判断される可能性が高いでしょう。
療養看護等に努めた者への利益の分配(寄与分)
寄与分とは、相続人の中に被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持または増加について、特別の寄与をした者に認められるものをいいます。
以前は、相続人でないものは遺産分割において、寄与分として自らの寄与について利益の分配を主張することができませんでした。
しかし、民法改正により、「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしていた」という要件を満たせば、相続人でない親族も、相続人に対し、特別寄与料の支払いを請求できるようになりました。
ただし、請求は相続開始および相続人を知った時から6か月以内にする必要があります。
どの程度貢献することで請求が認められるかについては、個別具体的な事情を考慮したうえで判断されます。
以前は、相続人でないものは遺産分割において、寄与分として自らの寄与について利益の分配を主張することができませんでした。
しかし、民法改正により、「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしていた」という要件を満たせば、相続人でない親族も、相続人に対し、特別寄与料の支払いを請求できるようになりました。
ただし、請求は相続開始および相続人を知った時から6か月以内にする必要があります。
どの程度貢献することで請求が認められるかについては、個別具体的な事情を考慮したうえで判断されます。
遺産分割は10年以内に行うこと
特別受益と寄与分のいずれも、被相続人が亡くなった時から10年が経過した後は、原則適用がなくなります。
特別受益や寄与分を主張できるものの、協議が調わなかった場合は、10年以内に家庭裁判所に対し遺産分割請求を行ない、そこで主張するようにしましょう。
特別受益や寄与分を主張できるものの、協議が調わなかった場合は、10年以内に家庭裁判所に対し遺産分割請求を行ない、そこで主張するようにしましょう。
持戻し免除
特別受益に該当すると判断されると、相続財産額に特別受益を加算すること(持ち戻し)になります。
ただし、特別受益はもともと被相続人の医師による財産処分であることから、被相続人の意志による持ち戻しの免除が認められています。
持戻し免除の意思表示を行ないたいと考える場合、特別な方式はありませんが、「生前贈与契約を締結し、その契約において持ち戻し免除の意思表示を記載しておく方法」や、「過去の生前贈与を遺言に明記し、持戻し免除の意思表示を記載しておく方法」が考えられます。
なお、この意思表示は自由に撤回できます。
ただし、特別受益はもともと被相続人の医師による財産処分であることから、被相続人の意志による持ち戻しの免除が認められています。
持戻し免除の意思表示を行ないたいと考える場合、特別な方式はありませんが、「生前贈与契約を締結し、その契約において持ち戻し免除の意思表示を記載しておく方法」や、「過去の生前贈与を遺言に明記し、持戻し免除の意思表示を記載しておく方法」が考えられます。
なお、この意思表示は自由に撤回できます。
突然の相続で慌てないために

父から「以前、祖父が亡くなった時は口座からお金が引き出せなくなり、色々大変だった」と聞きました。
現在は父も高齢なので、もしもの時のお金の工面が心配です。
現在は「預貯金の払戻し制度」がありますので、一定の限度額までは口座から出金できるようになっています。
また、当面の費用以外にも、被相続人の死亡に伴う各種届出等から、亡くなってから十10か月以内の相続税の申告に至るまで、多くの手続きが必要となります。
事前に確認しておきましょう。
現在は父も高齢なので、もしもの時のお金の工面が心配です。
現在は「預貯金の払戻し制度」がありますので、一定の限度額までは口座から出金できるようになっています。
また、当面の費用以外にも、被相続人の死亡に伴う各種届出等から、亡くなってから十10か月以内の相続税の申告に至るまで、多くの手続きが必要となります。
事前に確認しておきましょう。
口座が凍結
銀行に対し、被相続人が死亡したことを伝えると、預金口座は凍結され、口座から自由に出金できなくなります。
そのため、被相続人が死亡した後に必要になる費用を、あらかじめいくらか手元に置いておくようにしましょう。
なお、被相続人名義の預貯金は遺産分割の対象となる財産です。
そのため、遺産分割を行うまでの間は、共同相続人全員の同意を得なければ、銀行に対し単独で預貯金の払い戻しを求めることはできません。
被相続人と家計を同一にしており、生活費も同じ口座で管理している場合は、注意が必要です。
そのため、被相続人が死亡した後に必要になる費用を、あらかじめいくらか手元に置いておくようにしましょう。
なお、被相続人名義の預貯金は遺産分割の対象となる財産です。
そのため、遺産分割を行うまでの間は、共同相続人全員の同意を得なければ、銀行に対し単独で預貯金の払い戻しを求めることはできません。
被相続人と家計を同一にしており、生活費も同じ口座で管理している場合は、注意が必要です。
預貯金の払戻し制度
生活費などを遺産分割前に引き出す必要がある場合、預貯金の払戻し制度を利用することができます。
各相続人は相続預貯金のうち、口座ごと(定期預金の場合は明細ごと)に、一定の金額は家庭裁判所の判断を経ることなく金融機関から単独で払い戻しを受けることができます。
ただし、同一の金融機関からの払戻しは、現時点では150万円が上限です。
預貯金の払戻し制度を利用してもなお不足がある場合は、家庭裁判所に遺産分割調停や審判を申し立てることを前提に、家庭裁判所の判断により払戻しができる制度もあります。
各相続人は相続預貯金のうち、口座ごと(定期預金の場合は明細ごと)に、一定の金額は家庭裁判所の判断を経ることなく金融機関から単独で払い戻しを受けることができます。
ただし、同一の金融機関からの払戻しは、現時点では150万円が上限です。
預貯金の払戻し制度を利用してもなお不足がある場合は、家庭裁判所に遺産分割調停や審判を申し立てることを前提に、家庭裁判所の判断により払戻しができる制度もあります。
相続があった時の手続きの確認
相続が発生した場合には、被相続人の死亡に伴う各種届出等から、3か月以内の相続放棄等の期限、4か月以内の所得税の準確定申告、10か月以内の相続税の申告に至るまで、多くの手続きが必要となります。
事前に確認しておきましょう。
相続税の申告期限は10か月以内です。
もし特段の理由がなく、申告せずに放置した場合は、無申告課税加算税や延滞税がかかります。
そのため、もし遺産分割協議が調っていなくても、一旦法定相続分に基づき申告しましょう。
事前に確認しておきましょう。
相続税の申告期限は10か月以内です。
もし特段の理由がなく、申告せずに放置した場合は、無申告課税加算税や延滞税がかかります。
そのため、もし遺産分割協議が調っていなくても、一旦法定相続分に基づき申告しましょう。
おひとり様の相続対策

「会社経営や不動産投資に成功し、それなりの資産を築きましたが、相続人となる親族がいません」
「将来、認知症を患ったときの資産管理や、相続があったときの手続きが心配です」
何か良い対策はないでしょうか?
認知症等による判断能力の低下に備えるには、十分な判断能力があるときに、任意後見契約を締結しておく方法があります。
また、相続人がいない場合には、遺言書を作成し遺産の行方を決めておくことや、葬式等の死後事務について委任契約を締結しておくことが有効です。
「将来、認知症を患ったときの資産管理や、相続があったときの手続きが心配です」
何か良い対策はないでしょうか?
認知症等による判断能力の低下に備えるには、十分な判断能力があるときに、任意後見契約を締結しておく方法があります。
また、相続人がいない場合には、遺言書を作成し遺産の行方を決めておくことや、葬式等の死後事務について委任契約を締結しておくことが有効です。
任意後見契約
本人の判断能力が不十分になった場合に備えて、あらかじめ後見人となってくれる人(任意後見受任者)との間で、将来判断能力が不十分になった場合に、財産管理や身の回りの事務を行うことを委任しておく契約のことを、任意後見契約といいます。
任意後見契約は公正証書によって作成しなければなりません。
本人の判断能力が低下するまでは自分で財産の管理などを行ない、本人の判断能力が低下した時点で、家庭裁判所により任意後見監督人(任意後見人の事務を監督する人)が選任され、任意後見人による事務が開始されます。
なお、法定後見制度(後見・保佐・補助)は、家庭裁判所が成年後見人を選任します。
本人や申立人が希望する者が後見人として選任されるとは限りません。
そのため、後見人として信頼できるものを指定しておきたい場合は、あらかじめ十分な判断能力がある間に任意後見契約を締結しておくと良いでしょう。
任意後見契約は公正証書によって作成しなければなりません。
本人の判断能力が低下するまでは自分で財産の管理などを行ない、本人の判断能力が低下した時点で、家庭裁判所により任意後見監督人(任意後見人の事務を監督する人)が選任され、任意後見人による事務が開始されます。
なお、法定後見制度(後見・保佐・補助)は、家庭裁判所が成年後見人を選任します。
本人や申立人が希望する者が後見人として選任されるとは限りません。
そのため、後見人として信頼できるものを指定しておきたい場合は、あらかじめ十分な判断能力がある間に任意後見契約を締結しておくと良いでしょう。
相続人がいない場合は遺言書を作成
相続人がおらず遺言書を作成していない場合、最終的に被相続人の財産は国庫に帰属することになります。
そのため、相続人がいない場合には、生前、判断能力を有する間に自らの意志に従い遺言書を作成します。
誰に遺産を遺贈するかを定めておく方法により、自分の希望する者に遺産を承継させましょう。
なお、相続人がいない場合の遺言の方式は、公正証書遺言または自筆証書遺言を法務局に保管しておく方法がよいでしょう。
遺贈先としては、親しい知人、友人等が多いでしょう。
最近は、その活動や事業を支援するために、公益法人・NPO法人、医療機関、教育機関などの組織を遺贈先に指定される方も増えているようです。
そのため、相続人がいない場合には、生前、判断能力を有する間に自らの意志に従い遺言書を作成します。
誰に遺産を遺贈するかを定めておく方法により、自分の希望する者に遺産を承継させましょう。
なお、相続人がいない場合の遺言の方式は、公正証書遺言または自筆証書遺言を法務局に保管しておく方法がよいでしょう。
遺贈先としては、親しい知人、友人等が多いでしょう。
最近は、その活動や事業を支援するために、公益法人・NPO法人、医療機関、教育機関などの組織を遺贈先に指定される方も増えているようです。
死後の様々な手続きを委任
あらかじめ、信頼できる人に対し、自身の死後事務について委任することを内容とする契約を、死後事務委任契約といいます。
遺言で定めることができる事項は民法で定められているため、それ以外の事項(付言事項)を遺言に記載しても、法的な拘束力はなく、その内容を実現してもらえるとは限りません。
死後事務に関する事項は法定遺言事項ではありません。
死後に生じる様々な手続などに自らの意思を反映したい場合は、遺言とは別に死後事務委任契約を締結し、死後事務を委任しておく方法が有効です。
なお、死後事務委任契約の作成にあたっては、遺言書の付言事項との間に矛盾が生じないように留意しましょう。
【死後事務委任契約で委任できる事項】
■ 知人への死亡連絡
■ 葬儀、埋葬、供養に関する事項
■ 行政手続に関する事項(死亡届の提出、運転免許証などの返還など)
■ 病院や介護施設に関する料金の精算
■ 公共料金の支払や解約
■ SNS等のアカウント削除
■ ペットの施設利用契約 等
遺言で定めることができる事項は民法で定められているため、それ以外の事項(付言事項)を遺言に記載しても、法的な拘束力はなく、その内容を実現してもらえるとは限りません。
死後事務に関する事項は法定遺言事項ではありません。
死後に生じる様々な手続などに自らの意思を反映したい場合は、遺言とは別に死後事務委任契約を締結し、死後事務を委任しておく方法が有効です。
なお、死後事務委任契約の作成にあたっては、遺言書の付言事項との間に矛盾が生じないように留意しましょう。
【死後事務委任契約で委任できる事項】
■ 知人への死亡連絡
■ 葬儀、埋葬、供養に関する事項
■ 行政手続に関する事項(死亡届の提出、運転免許証などの返還など)
■ 病院や介護施設に関する料金の精算
■ 公共料金の支払や解約
■ SNS等のアカウント削除
■ ペットの施設利用契約 等
終わりに

今回は、突然の相続で慌てないための対策について、お話し致しました。
家族間の事情は様々であり、みなそれぞれに言い分があるものです。
これまで表面化しなかったことが、相続が起こったときに噴出してきます。
そのようにならないように、普段からコミュニケーションを取り合うことも大切です。
相続は誰しも避けては通れない問題ですが、近年は相続に関する様々な法改正が行われております。
情報をアップデートし知識を得ることによって、良い相続対策が行えるよう願っています。
執筆者
MIRAI不動産株式会社 井﨑 浩和
大阪市淀川区にある不動産会社を経営しています。不動産に関わるようになって20年以上になります。
弊社は、“人”を大切にしています。不動産を単なる土地・建物として見るのではなく、そこに込められた"想い"に寄り添い受け継がれていくよう、人と人、人と不動産の架け橋としての役割を果たします。
家族間の事情は様々であり、みなそれぞれに言い分があるものです。
これまで表面化しなかったことが、相続が起こったときに噴出してきます。
そのようにならないように、普段からコミュニケーションを取り合うことも大切です。
相続は誰しも避けては通れない問題ですが、近年は相続に関する様々な法改正が行われております。
情報をアップデートし知識を得ることによって、良い相続対策が行えるよう願っています。
執筆者
MIRAI不動産株式会社 井﨑 浩和
大阪市淀川区にある不動産会社を経営しています。不動産に関わるようになって20年以上になります。
弊社は、“人”を大切にしています。不動産を単なる土地・建物として見るのではなく、そこに込められた"想い"に寄り添い受け継がれていくよう、人と人、人と不動産の架け橋としての役割を果たします。