
日本人は貯蓄に熱心な傾向があります。
しかし近年では、銀行預金だけではなく金融商品や不動産への投資をする人が増えてきているようです。
資産を増やす手段として金融機関で販売されているからでしょう。
しかし、投資信託などの金融商品への投資はハイリスクハイリターンです。
投資信託には相続税負担が重いという特徴があります。
一方、不動産への投資の場合、金融商品ほど大きなリターンを狙うことはできません。
しかし、相続税負担を大きく減らすことができます。
借入金で資金調達するようなケースでは、相続税がゼロになるようになることもあります。
不動産投資は相続税負担を軽くするという意味では、相続対策により適した投資対象となるでしょう。
これは不動産というリスク資産を持つことに伴う値引きと考えることができるかもしれません。
今回は、不動産経営によって金融資産の相続税を減らす方法について、お話し致します。
不動産資産と比べて金融資産は相続税負担が重い

大手企業で働く会社員などの高額所得者、開業医師や開業弁護士などの個人事業主は、毎年所得が大きく、結果として多額の現金・預金、有価証券を所有していることが多いでしょう。
これらの人は、プライベートバンクや証券会社等の上顧客であり、金融資産家と呼ばれることがあります。
このような金融資産家にとっての相続税対策のひとつに、不動産投資があります。
同じ価値のある財産であっても金融資産と不動産では、相続税負担の重さが異なります。
同じ価値であっても金融資産には重い相続税が課されるのに対して、不動産の相続税は軽い相続税になります。
これらの人は、プライベートバンクや証券会社等の上顧客であり、金融資産家と呼ばれることがあります。
このような金融資産家にとっての相続税対策のひとつに、不動産投資があります。
同じ価値のある財産であっても金融資産と不動産では、相続税負担の重さが異なります。
同じ価値であっても金融資産には重い相続税が課されるのに対して、不動産の相続税は軽い相続税になります。
中古の区分所有マンション
不動産投資を考える場合、土地を購入して、自ら賃貸アパートを建築しても良いですが、本業で忙しい人が、慣れない不動産開発を行う時間はないでしょう。
そのような場合、既に完成している中古アパートやマンションを購入することになります。
金額的に大きな節税効果を狙うのであれば、中古アパートやマンションを一棟丸ごと購入すればよいでしょう。
しかし、投資対象を一点に集中すると、収益性の低下や震災などの損失を集中的に被るリスクがあります。
それゆえ、投資物件の地理的分散によってリスクを低減させるため、複数の区分所有マンションを購入することを検討しましょう。
また、節税効果の高さを狙うのであれば、タワーマンションも候補となります。
相続税評価と市場価格の乖離が大きいため、現金を支払って不動産を購入した結果、財産評価が大きく下がります。
そのような場合、既に完成している中古アパートやマンションを購入することになります。
金額的に大きな節税効果を狙うのであれば、中古アパートやマンションを一棟丸ごと購入すればよいでしょう。
しかし、投資対象を一点に集中すると、収益性の低下や震災などの損失を集中的に被るリスクがあります。
それゆえ、投資物件の地理的分散によってリスクを低減させるため、複数の区分所有マンションを購入することを検討しましょう。
また、節税効果の高さを狙うのであれば、タワーマンションも候補となります。
相続税評価と市場価格の乖離が大きいため、現金を支払って不動産を購入した結果、財産評価が大きく下がります。
タワーマンションの節税効果
タワーマンションの圧縮率が高くなる理由は、マンションの総戸数が多いことにあります。
総戸数が多ければ多いほど、建物が高層であればあるほど、一戸当たりの敷地持ち分は小さくなり、相続税評価は市場価格よりも小さくなります。
また、タワーマンションは眺望の良さなどを理由として、上層階の市場価格のほうが高くなる傾向にあり、結果として市場価格と相続税評価との乖離が大きくなります。
その乖離(圧縮率)は最大で80%~90%となります。
タワーマンションについては賛否両論があります。
課税強化によって、固定資産税評価が高層階になるほど重くなることとなり、相続効果が弱まることになります。
その点を否定的に見る方もいますが、節税効果への影響はそれほど大きくありません。
表面利回りでも3%台と低いタワーマンションは、仲介手数料などの取引費用を負担することによって、その投資利回りがほとんどのケースにおいてマイナスとなります。
つまり、儲けようとする場合の投資対象としては不適格です。
しかし、その圧縮率の高さから、相続税を大きく減らすことができます。
それゆえ、投資利回りの低さだけでなく、節税効果の高さを総合的に考慮することによって、タワーマンションの価値の大きさを評価すべきでしょう。
このように節税効果の高さという点から、区分所有マンションは節税手段として適しています。
しかし、相続税対策の効果だけでなく、収益性が高く将来の資産価値を維持することを考えて物件を見つけなければなりません。
総戸数が多ければ多いほど、建物が高層であればあるほど、一戸当たりの敷地持ち分は小さくなり、相続税評価は市場価格よりも小さくなります。
また、タワーマンションは眺望の良さなどを理由として、上層階の市場価格のほうが高くなる傾向にあり、結果として市場価格と相続税評価との乖離が大きくなります。
その乖離(圧縮率)は最大で80%~90%となります。
タワーマンションについては賛否両論があります。
課税強化によって、固定資産税評価が高層階になるほど重くなることとなり、相続効果が弱まることになります。
その点を否定的に見る方もいますが、節税効果への影響はそれほど大きくありません。
表面利回りでも3%台と低いタワーマンションは、仲介手数料などの取引費用を負担することによって、その投資利回りがほとんどのケースにおいてマイナスとなります。
つまり、儲けようとする場合の投資対象としては不適格です。
しかし、その圧縮率の高さから、相続税を大きく減らすことができます。
それゆえ、投資利回りの低さだけでなく、節税効果の高さを総合的に考慮することによって、タワーマンションの価値の大きさを評価すべきでしょう。
このように節税効果の高さという点から、区分所有マンションは節税手段として適しています。
しかし、相続税対策の効果だけでなく、収益性が高く将来の資産価値を維持することを考えて物件を見つけなければなりません。
ワンルームマンション
そこで、タワーマンションの次の候補と考えられるのが、都心部の中古ワンルームマンションです。
中古ワンルームマンションは圧縮率が60%~70%と、タワーマンションには及ばないものの相続税対策の手段として充分な節税効果を得られます。
また、物件によっては空室リスクが低く、転売しやすいという特徴を持っています。
これらのメリットとデメリットを総合的に分析して、物件を選ぶようにしましょう。
中古ワンルームマンションは圧縮率が60%~70%と、タワーマンションには及ばないものの相続税対策の手段として充分な節税効果を得られます。
また、物件によっては空室リスクが低く、転売しやすいという特徴を持っています。
これらのメリットとデメリットを総合的に分析して、物件を選ぶようにしましょう。
法人経営で相続税を減らす

金融資産は相続税負担が重い財産です。
これを不動産投資の資金に充てれば、相続税負担が軽くなります。
ここで、一歩進んで相続税を軽くするだけでなく。ゼロとする方法を考えてみましょう。
仮に金融機関2億円を所有している人が相続税をゼロにしようとするならば、以下のような方法が最適です。
これを不動産投資の資金に充てれば、相続税負担が軽くなります。
ここで、一歩進んで相続税を軽くするだけでなく。ゼロとする方法を考えてみましょう。
仮に金融機関2億円を所有している人が相続税をゼロにしようとするならば、以下のような方法が最適です。
法人の株価を引き下げる
まず、自己資金2億円を出資して法人を設立します。
次に不動産仲介会社からタワーマンションの物件情報を仕入れ、銀行から2億円を借り入れます。
築浅で人気があるタワーマンションであれば、借入比率は50%を超えるでしょう。
したがって、自己資金と銀行借入金を合わせて4億円の不動産投資となります。
これを実行すれば、タワーマンションを購入してから3年経過後には、法人の財産評価が次のように変化します。
タワーマンションの圧縮率は80%程度であるため、3年後の相続税評価は8,000万円程度まで引き下げられます。
その一方で、借入金は、元本返済が進むため減少するとしてもせいぜい10%程度でしょう。
したがって、資産の評価額が負債の評価額を下回ることとなり、相続税評価ベースでは法人の純資産はマイナス(債務超過)となります。
そうすると、法人の株式(出資金)の評価はゼロとなります。
次に不動産仲介会社からタワーマンションの物件情報を仕入れ、銀行から2億円を借り入れます。
築浅で人気があるタワーマンションであれば、借入比率は50%を超えるでしょう。
したがって、自己資金と銀行借入金を合わせて4億円の不動産投資となります。
これを実行すれば、タワーマンションを購入してから3年経過後には、法人の財産評価が次のように変化します。
タワーマンションの圧縮率は80%程度であるため、3年後の相続税評価は8,000万円程度まで引き下げられます。
その一方で、借入金は、元本返済が進むため減少するとしてもせいぜい10%程度でしょう。
したがって、資産の評価額が負債の評価額を下回ることとなり、相続税評価ベースでは法人の純資産はマイナス(債務超過)となります。
そうすると、法人の株式(出資金)の評価はゼロとなります。
ゼロ円株式を税負担ゼロで贈与
この節税の仕組みは、借入金と不動産によって創り出したマイナス財産を、金融資産と相殺することによって評価を引き下げるというものです。
しかし、法人経営をこのまま続けていけば。家賃収入から現金が蓄積され、株式の評価額がプラスに転じてしまいます。
そこで、株式の評価額がゼロのうちに、すべて子どもへの生前贈与をしておきます。
ゼロ円評価の株式を贈与しても、課される贈与税はゼロとなります。
結果として、2億円の現金を無税で子どもに移転させることができます。
しかし、法人経営をこのまま続けていけば。家賃収入から現金が蓄積され、株式の評価額がプラスに転じてしまいます。
そこで、株式の評価額がゼロのうちに、すべて子どもへの生前贈与をしておきます。
ゼロ円評価の株式を贈与しても、課される贈与税はゼロとなります。
結果として、2億円の現金を無税で子どもに移転させることができます。
終わりに

今回は、不動産経営によって金融資産の相続税を減らす方法について、お話し致しました。
タワーマンションについては賛否両論があります。
課税強化によって、固定資産税評価が高層階になるほど重くなることとなり、相続効果が弱まることになります。
否定的に見る方もいますが、節税効果への影響はそれほど大きくありません。
同じ価値のある財産であっても金融資産と不動産では、相続税負担の重さが異なります。
同じ価値であっても金融資産には重い相続税が課されるのに対して、不動産の相続税は軽い相続税になります。
ただし、相続税対策の効果だけでなく、収益性が高く将来の資産価値を維持することを考えて物件を見つけなければなりません。
執筆者
MIRAI不動産株式会社 井﨑 浩和
大阪市淀川区にある不動産会社を経営しています。不動産に関わるようになって20年以上になります。
弊社は、“人”を大切にしています。不動産を単なる土地・建物として見るのではなく、そこに込められた"想い"に寄り添い受け継がれていくよう、人と人、人と不動産の架け橋としての役割を果たします。
タワーマンションについては賛否両論があります。
課税強化によって、固定資産税評価が高層階になるほど重くなることとなり、相続効果が弱まることになります。
否定的に見る方もいますが、節税効果への影響はそれほど大きくありません。
同じ価値のある財産であっても金融資産と不動産では、相続税負担の重さが異なります。
同じ価値であっても金融資産には重い相続税が課されるのに対して、不動産の相続税は軽い相続税になります。
ただし、相続税対策の効果だけでなく、収益性が高く将来の資産価値を維持することを考えて物件を見つけなければなりません。
執筆者
MIRAI不動産株式会社 井﨑 浩和
大阪市淀川区にある不動産会社を経営しています。不動産に関わるようになって20年以上になります。
弊社は、“人”を大切にしています。不動産を単なる土地・建物として見るのではなく、そこに込められた"想い"に寄り添い受け継がれていくよう、人と人、人と不動産の架け橋としての役割を果たします。