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淀川区の戸建て売却について考えよう

淀川区で戸建てを売るために

以前に、大阪府や大阪市、そして大阪市淀川区という地域に分けて、直近の不動産市況についてまとめ投稿しました。
2024年1~3月期の近畿圏市場近畿レインズのレポートによると、中古マンション・戸建住宅ともに成約件数、価格はプラス基調で推移したとありますが、詳細をみていくと高額価格帯の不動産が値上がっている一方で、多くの不動産は必ずしもプラス基調とは言えません。
買主も当然慎重であり、買い手が多く競争力がある不動産でなければ、なかなか高額で取引は成立しないものです。

さて、実際に取引された不動産には、どのような特徴があるでしょうか。
直近の1年間で、淀川区で取引された事例を参考にして売却について考えてみましょう。

土地や戸建、マンションなど、不動産の種類によって分けて考えてみます。
前回は、土地売却についてお話ししました。
今回は、淀川区の戸建て売却について、お話し致します。

土地30坪未満の住宅取引が多い

近畿レインズで調べてみたところ、淀川区で直近1年間に成約登録された中古戸建住宅67件のうち、土地が100㎡(約30坪)に満たない住宅は59件でした。
約88%の中古戸建は、土地が100㎡(約30坪)未満であったことがわかりました。

淀川区では、3階建ての建物を建てることを制限されている地域は、ほとんどありません。
そのため、土地が30坪に満たない住宅であっても、3階建ての住宅を視野に入れれば需要はあると考えられます。

参考:近畿レインズ

若者の車離れの影響

土地30坪未満の住宅取引が多い理由として、1つには、車を所有しない人が増えている影響があると考えられます。

昨今では夫婦共働きの世帯が増え、それに伴い、夫婦それぞれが使うために車を2台以上所有する世帯があります。
警察庁が発表している運転免許統計によると、特に女性の運転免許の保有者数が増加しています。
■ 1993年(平成5年) 男性の保有者数:約4,014万人、女性の保有者数:約2,555万人
■ 2003年(平成15年) 男性の保有者数:約4,479万人、女性の保有者数:約3,268万人
■ 2023年(令和5年) 男性の保有者数:約4,424万人、女性の保有者数:約3,762万人

この20年間で、男性は約410万人の増加に対し、女性は約1,207万人も増加しています。
夫婦それぞれが日常的に車を運転する場合、車を2台以上駐車できる車庫スペースが必要という需要があります。
そのため、特に郊外では、車を2台以上駐車できる車庫スペースを確保できない住宅は、成約が難しい傾向があります。

しかし、淀川区含め大阪市では、大阪府下で比べても公共機関による交通網が充実しています。
勤務地にも近く、利便性が良いということも考えられます。
また概ね平坦地であり、自転車を利用することでことが足りてしまうことも多いでしょう。

そして、淀川区はカーシェアのステーション数と車両数が充実し続けています。
たとえ、普段の通勤や生活は交通機関や自転車で済ますことができても、車を必要とするときがありました。
これに応えることができる環境が整ってきているため、車を2台以上駐車できるスペースを必要としない世帯が多いのではないかと考えられます。

土地や建物が狭い方がリフォーム等に要する費用も安くなる

どのようなケースでも当てはまるわけではありませんが、シンプルに考えて、建物の面積が広いほど建物価格は高くなりますし、維持管理に要する費用も高くなります。

中古住宅を購入した場合、買主は設備や内装、外壁や外構部分のリフォーム等を行うことを考えます。
その際に、土地や建物が広ければ、その対象面積が広くなりますので、リフォーム等に要する費用も高くなることが考えられます。

しかし、対象面積が狭ければ、内装等に係る費用を比較的抑えることができるでしょう。
抑えた分を、例えば設備費用にまわすこともできるようになります。

また、将来のメンテナンスに要する費用も、土地や建物がコンパクトな方が抑えられるという安心感があります。

狭小地でも需要がある住宅は値崩れし難い

購入者に、車を2台以上駐車できるスペースを必要としない世帯が多いようであれば、土地が100㎡(約30坪)に満たない住宅でも需要があることがわかります。

需要が供給を上回っている限り、原則として価格は上がり続けます。

土地が広くなると、一般的には建物の面積も大きくなります。
建て替えを考える方は、建物にこだわる傾向が強く、建築費用が高くなる傾向があります。
そのため、土地価格を抑えたいと考えがちです。

昨今では、インフレに伴い建物価格が高騰しています。
そのため、郊外の広い土地は、需要が減っている原因にもなっています。

一方で、都心部は、少子化の影響や車を所有しない世帯の増加に伴い、広い土地を必要としない世帯が増えています。
そのため、狭小地でも売れています。
マンションの人気が増えていることも、この影響があるでしょう。
この傾向が続く限り、狭小地でも、需要がある住宅は値崩れし難いと考えられます。

住みながらでも戸建を売却できるか

戸建住宅を売却する場合、住みながら売却するケースがあります。
住みながら売却することには、売却にどれほど影響があるものでしょうか。

近畿レインズで調べてみたところ、淀川区で直近1年間に成約登録された中古戸建住宅67件のうち、居住しながら売却が成立した住宅は23件でした。
約34%の中古戸建は、居住しながら売却が成立しました。

取引された件数は空き家の方が多いですが、住みながらであっても売却ができないわけではありません。

参考:近畿レインズ

住みながら売る場合のポイント

売買物件が、空き家の物件と居住中の物件を比べたとき、どのような違いがあるでしょう。

1つは、家の状態を確認し難いということです。
現状有姿の中古住宅は、買主がリフォームを行うケースが大半です。
そのため、買主は、しっかりと状態を確認したいと考えています。

売主としては、買主の気持ちを汲み取って、遠慮なく見ていただけるように促すと良いでしょう。
自分の家を見られることに抵抗がない人は少ないでしょうが、割り切るより仕方がありません。

また、空き家の場合は比較的自由に見学することができますが、居住中の場合はそうはいきません。
見学希望者が見たいときに見ることができなければ、機会損失となります。

よほど、ピンポイントでその住宅を見学したいという方でない限り、いくつかの物件に絞って見学を行います。
そのときに候補に含まれなければ、そのお客様は、もう二度と見学されないと考えるべきです。
できる限り予定を合わせることが望ましいでしょう。

ほかにも考えられることはたくさんありますが、それぞれの売却事情や物件の事情によっても異なります。

一方で、居住中の物件には、空き家の物件にはない点があります。
それは、売主もしくは居住者が、見学者と会うことができることです。

顔がわからない相手との取引は心配ですが、事前に顔を合わせることによって不安は軽減されるでしょう。
また、自分が嫌だなと感じたときには、相手も同じように感じていることが多いものです。

リフォームを行うべきか

売主は、リフォームを行った方が売却しやすいでしょうか。
シンプルに考えれば、リフォームを行った方が売却しやすいでしょう。

しかし、一般個人の方が売却されるときは、リフォームは購入者に任せるケースが多いです。
それにはいくつか理由があります。

1. 売却できるか不確かな状態で、リフォームの費用が必要となる。
2. 買主とリフォーム費用の単価に違いがない(金額面でメリットが出せない)。
3. ほかの売却不動産との比較ができない(リフォームのポイントがわからない)。
4. リフォームの経験が少ない(リフォームのポイントがわからない)。
5. 購入希望者によって、リフォームの好みやどこまで行うかの程度が異なる。

近畿レインズで調べてみても、一般個人の方が売却されたと思われる住宅について、リフォームして売り渡された事例は見受けられませんでした。
リフォームをされている住宅は、売主が不動産業者の方ばかりです。

しかし、第一印象はとても大切です。
人も第一印象が大切ですが、住宅も第一印象で答えが出るものです。

フルリフォームを行うことはできなくても、できることはやっておくべきです。
売却に際し、家財や荷物を搬出されたものの、汚れたり損傷した箇所がそのままにされていることがあります。
プロにハウスクリーニングを頼まれるだけでも、見た目の印象はかなり変わるでしょう。

終わりに

今回は、淀川区の戸建ての売却について、お話し致しました。

購入者にとっては、中古戸建てよりも新築戸建ての方が望ましいことに違いはありません。
税制のメリットなど、新築の方が優遇されていることもあります。
中古戸建を探される場合は、多くは予算の都合です。
そのため、中古戸建は金額でシビアな面があるかもしれません。

売主は、新築戸建てやリフォーム済みの中古戸建と競合することをイメージしてください。
ご自分の住宅のことばかり見ていては、なかなか気づかないものです。
選ばれる住宅には、選ばれる理由が必ずあります。
また、選ばれない住宅には、選ばれない理由が必ずあります。


また、戸建住宅は、土地も一緒に売却します。
そのため、前回お話ししました土地売却に関する投稿も参考にしてください。

次回は、中古マンションの売却について、考えてみます。

参考:淀川区の土地売却について考えよう【BLOG】