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一戸建てやマンションのリフォームに関する基本事項について

リフォームのことを考える前に
中古物件を購入して、リフォームして住みたいとお考えの方も多いでしょう。
設備や内装にもさまざまな様式があり、好みも多種多様です。
インターネットを利用して調べてみても、たくさん紹介されており、見たり考えたりするだけでも楽しいものです。

しかしながら、予算には限りがあるでしょう。
購入した家の状態や程度によって、リフォームの内容も変わってくるでしょう。

また、それほど強いこだわりはないが、リフォームをしなければならない物件を購入された方も意外と多いです。
そこで、予算や全体のイメージを考えていただくにあたって、リフォームに関係する基本的なことを知っておく必要があります。

今回は、リフォームに関する基本的なことについて、お話し致します。

リフォームの進め方

中古物件を購入し、リフォームして、住むことができるようになるまで、全体の流れについて確認しておきましょう。

なお、住宅ローンを使って購入すると、中古物件の費用を支払うときにはローンの支払いが始まります。
賃貸物件から住み替えを考えている方は、リフォームが終わるまで、家賃とローンの二重払いとなります。
リフォームのスタートが遅れると、二重払いの期間が長くなりますので、注意しましょう。

リフォームのイメージと資金計画の立案

まずは、どのような暮らしをしてみたいか、思い描いてみましょう。
住みたい街、好みの環境、住空間をイメージしてみましょう。

その後、リフォームにかける予算を決めます。
中古住宅の購入に充てる費用とリフォームに充てる費用の両方を合わせて計算していきます。
自己資金で足りない分は、リフォームローンを使ってカバーすることになります。
無理のない返済計画を立てましょう。

リフォーム会社への問い合わせ

しっかりと自分たちのイメージや希望を話してみましょう。
リフォームは、リフォーム会社の方との共同作業です。
まずは相手と相性が合うかどうか、見極めましょう。

それから細部を確認していきます。
不動産の内覧に同行してもらえるといいでしょう。
不動産の購入代金だけではなくリフォーム費用も併せてローンを利用する場合は、ローンの申込時に見積書やプラン等が必要です。

リフォーム会社からプランや全体の費用について説明を受ければ、リフォームの内容の修正を行うこともできます。
不動産の購入に費用をかけ過ぎて、希望のリフォームができなくなるような失敗を防ぐことができるでしょう。

購入する物件の契約を締結した後、スムーズに住宅ローンの契約を進めなければ代金の支払い期日に間に合わなくなります。
不動産購入等のローンの本申込をする時には、工事請負契約書が必要です。
リフォームを考えている場合は、リフォームの内容と予算が決まらなければローンの審査が進みません。

リフォームローンを使う場合、後からローンの金額を上げることはできません。
物件を決めてからリフォームのことを考えていると、時間が足りずに満足のいく仕上がりができないかもしれません。

リフォームの開始

近隣の方とのトラブルを防ぐため、近隣へのケアは十分に行いましょう。

立地や工事内容によっても変わりますが、一般的には、一戸建ての場合は両隣とお向かい、マンションの場合は両隣りと上下階の方に、工事着手前にあいさつをします。
リフォーム会社の方とも相談してみましょう。

マンションの場合は、工事前に管理組合の承認や近隣住戸の承諾書が必要になることがあります。
工事内容やスケジュールに影響することがありますので、事前に確認しておきましょう。

工事が始まったら、工事途中に可能な範囲で見ておくこともよいでしょう。
たとえば、床鳴りしていたときには、その原因を知ることができるかもしれません。
今後の参考になることもあるでしょう。

工事中の差し入れは、不要な場合と喜ばれる場合があります。
リフォーム会社の担当者の方へ事前に確認しておきましょう。

工事が完成したら、リフォーム会社の担当者と立ち会って確認します。
アフターケアの体制、設備の使い方の確認も忘れずにしておきましょう。

一戸建てのリフォームの注意点

マンションに比べると、一戸建ての方が自由度は高い傾向にあります。
しかしリフォームは、建物の構造だけではなく、建築基準法、都市計画法、地域の条例が影響することがあります。
不明なことはリフォーム会社に相談してみましょう。

工法について

一戸建ての間取り変更は、建物の強度に影響を及ぼさない範囲で行わなければなりません。

間取り変更は、構造や工法によって制限されることがあります。

断熱について

内窓をつけたり、断熱性能の高い玄関ドアへの交換など、部分的な増設や交換のリフォームは単独でもできます。

床、壁、天井、屋根などの断熱性能を高める工事は、解体する面積が広いため割高となります。
そのため、内装の張替えなど、他のリフォームと一緒に行う方が、一度で済ませることができるためコストが抑えられます。

耐震について

耐震補強が必要かどうか、またその工事方法や工事費用は、建物の状況によって異なります。

事前に耐震診断を受けることが望ましいでしょう。

小屋裏について

小屋裏は天井と屋根の間の空間です。
通常は天井板で塞がれています。

容積率を超えない範囲で収納スペースなどにリフォームが可能です。
面積が2分の1以下で天井高が1.4m未満であれば、床面積に算入されず容積率への対策となるでしょう。

間取り変更について

部屋や水まわりの位置を変えたり、壁を取って複数の部屋をつなげたりなどといった間取り変更は、建物の構造や工法に影響されます。

柱と梁で建物を支える木造軸組工法などの場合は、他の工法に比べると自由度は高いでしょう。

吹き抜けについて

木造建物の場合は、建物の構造強度に影響が出なければ比較的容易です。
一方、重量鉄骨造の建物の場合は、鉄骨の梁を動かせないため困難です。

既存の屋根にトップライトを設けることは、よほど大きな窓でなければ比較的容易です。
ただし、雨漏れなどのトラブルを考慮する必要がありますので、リフォーム会社と十分にご相談ください。

窓について

建物を支えている耐力壁に新たな窓を設けることは、難しいでしょう。
開口部を新設しても建物強度に影響がない外壁であれば、窓を増やしたり移動したりすることはできます。

サッシを交換する場合、防火地域・準防火地域なら防火性能基準を満たしたサッシのみ交換することができます。

バリアフリーについて

床を平らにすることは容易です。
浴室の出入り口も、バリアフリー仕様のシステムバスで平らにすることができます。

階段やトイレなどの手すり設置は、壁を補強しなければならないことが多いでしょう。
手すりは、使う人の身体の状態で、最適な位置や形状が異なります。

水まわりについて

水まわりの変更は、比較的制約は少ないでしょう。
キッチンを明るい場所へ移したり、向きを変えて対面式にしたり、2階にトイレや浴室を設けたりと、かなり自由度があります。

敷地と建物の位置によっては給排水管の勾配をつけにくいことがあり、給排水管を大幅に移動させられないことがあります。

コンセントについて

コンセントの位置や増設は、比較的自由にできます。
内装のリフォームを行う前であれば、より容易に変更できます。

コンセントを増やして同時に使う電化製品が増えると、容量が不足するかもしれません。
電力会社との契約容量を大きくしなければならないことも考えられます。

増築について

住宅の規模は、建ぺい率・容積率で制限されます。

建替えのときは、新築時のときと建ぺい率や容積率が変更されていたり、また関係する法令が追加されている場合があります。
事前に確認しておきましょう。

また、建物を増築した場合は、増築登記をしなければなりません。

マンションのリフォームの注意点

マンションには専有部分と共用部分があります。
事由にリフォームをすることができるのは専有部分に限られます。

また、マンションの管理規約で定められたルールがあります。
リフォームの内容やスケジュールに影響が出ることもあります。
事前に管理組合に確認しましょう。

配水管について

水がスムーズに流れるように、勾配を確保しなければいけません。
床下に十分な空間がなければ、水まわりの移動は難しいでしょう。

構造体であるコンクリートスラブと自分の住戸の床に配管が通るタイプでは、スラブと床の空間に十分な高さがなければ排水管に勾配をつけられません。
そのため、水まわりを大きく変更できないなど、場所の移動に制限が出やすいでしょう。

ただし近年では、床下空間の高さを大きくとったマンションは珍しくありません。
排水管の勾配がつけやすいため、壁付きタイプのキッチンを対面式に変更することはもちろん、水まわりを広い範囲で移動できるため大胆な間取り変更が可能です。

築年数が経った古いマンションに多くみられる階下の天井裏を排水管が通るタイプは、配管が動かせないため水まわりの移動は困難です。
また、コンクリートスラブに埋設されているタイプの場合は、排水管の交換ができません。

パイプスペースについて

排水管専用と給水、ガス管、電気配線用の2種類があります。
メーターボックス内にある場合があります。

住戸の中にあるスペースですが、共用部分にあたり移動ができません。
ラーメン構造で間仕切りを取り外せる場合でも、パイプスペースは既存の場所に残しておかなければいけません。

玄関について

玄関ドアの「外側」は、共用部分です。
そのため、ドアを交換したり色を塗り替えたりすることはできません。

玄関ドアの「内側」は、専有部分です。
そのため、色を塗り替えたりするリフォームができます。

鍵の増設などドアに穴を開ける必要があるときは、管理組合に確認しましょう。
マンションによって対応が異なります。

水まわりについて

水まわりの移動は、床下の配管が動かせるかがポイントになります。

給水管や給湯管は、比較的移動させやすいです。
排水管は移動距離が長くなると水の流れが悪くなる場合があります。
勾配をつけるために、躯体のコンクリートと床の間に十分な空間が必要です。

間取り変更について

間取り変更の自由度は、構造によって異なります。

ラーメン構造で住まいの内側がすべて専有面積にあたる場合は、部屋の間仕切りを取り外すことができ、大胆な間取り変更が可能です。

壁式構造の場合は、建物を支える壁が共用部分であり、また建物の強度面から外せないため、間取り変更に制約があります。

内装について

住戸の内側は、専有部分のためリフォームができます。

壁材や天井材などの内装の張り替え、塗り替え、室内ドアなどの建具の交換ができます。

カーペットや畳をフローリングへするときは、上下階への遮音性の問題から管理規約で制限があることが多いでしょう。
床材の性能レベルの規定、もしくはフローリングを禁止する項目がないか、確認をしましょう。

天井について

構造体のコンクリートの内側までの空間部分が専有部分です。

天井板を外し、天井高を上げることはできます。
ただし、古いマンションの場合、上階の排水管が下階の天井裏を通っていることがあります。
音や水漏れをした場合を考えると、天井板は外さない方がいいでしょう。

窓について

既存の窓をそのまま残して、内窓を新設することはできます。

外観に影響が出るため、違う色のサッシには変更できません。
ただし、管理規約で変更できるサッシが指定されている場合などがあります。

サッシ枠をそのまま残して、ガラスだけを交換する方法もあります。

コンセントについて

コンセントの数は、増やすことができます。

マンション全体で電気の総容量が決まっているため、各住戸の容量に限度があります。
使用する電気製品から、使用できる電気の容量にどれくらい余裕があるか、確認しましょう。

バルコニーについて

バルコニーは、変更することができない共用部分にあたります。

階下や隣戸への避難経路でもあります。
そのため、避難ハッチを塞ぐようなウッドデッキを設置したり、隣戸との間仕切りのそばに物を置いてはいけません。

目隠しフェンスなどの設置は、外観に影響があるため管理規約で認められていないことが多いでしょう。

終わりに

今回は、一戸建てやマンションのリフォームに関する基本について、お話し致しました。

一戸建てとマンション、それぞれに分けてリフォームに関するポイントをあげてみました。
どちらにもそれぞれ特徴や制限事項があります。
購入物件のリフォームを考えているときは、リフォームに関する知識を深めておくと後で困ることは少なるでしょう。

リフォームは、自分の好み・テイストを出すことができます。
どのような暮らしをしてみたいか、どのような部屋にしたいか、せっかくイメージしても実現できなければ困ります。
今は、いろいろな情報を手軽に集めることができます。
情報を集めて、イメージを作ったうえで、早めにリフォーム会社など専門家に相談してみましょう。


執筆者
MIRAI不動産株式会社 井﨑 浩和
大阪市淀川区にある不動産会社を経営しています。不動産に関わるようになって20年以上になります。
弊社は、“人”を大切にしています。不動産を単なる土地・建物として見るのではなく、そこに込められた"想い"に寄り添い受け継がれていくよう、人と人、人と不動産の架け橋としての役割を果たします。