前回のブログでは、路線価、地価公示、固定資産税評価額について、お話ししました。 その中で、固定資産税については、毎年3月31日までに税額が決定され、固定資産の所有者に対し、固定資産税等を通知し課税するようになっているとあります。 そのため、4月から5月にかけて、各市町村から固定資産税等が通知されています。 今回は、不動産売買の取引にも関係する固定資産税と都市計画税の違いや計算式について、お話し致します。
固定資産税と都市計画税について
そもそも固定資産とは、皆さまの周りにある住宅地や田んぼなどの土地、住宅やお店などの家屋、工場の機械や会社の備品などの償却資産、これらを総称して固定資産と呼ばれています。
固定資産税とは、こうした固定資産にかかる税金のことです。
不動産にかかる部分は、住宅地や田んぼなどの土地、住宅やお店などの家屋が該当します。
賦課期日(毎年1月1日)時点で、固定資産の所有者が、その資産価値に応じて算定された税額を、固定資産の所在する市町村に納めます。
都市部の不動産を所有されている方は、固定資産税だけではなく、都市計画税という税金も賦課されていることでしょう。
都市計画税は、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課せられる税金です。
まずは固定資産税と都市計画税について、お話し致します。
固定資産税とは、こうした固定資産にかかる税金のことです。
不動産にかかる部分は、住宅地や田んぼなどの土地、住宅やお店などの家屋が該当します。
賦課期日(毎年1月1日)時点で、固定資産の所有者が、その資産価値に応じて算定された税額を、固定資産の所在する市町村に納めます。
都市部の不動産を所有されている方は、固定資産税だけではなく、都市計画税という税金も賦課されていることでしょう。
都市計画税は、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課せられる税金です。
まずは固定資産税と都市計画税について、お話し致します。
固定資産税について
日本には明治時代から地租(土地に対する税金)や家屋税(住宅に対する税金)がありましたが、戦後の1950(昭和25)年に、シャウプ勧告に基づく地方税制改正の一環として、地租や家屋税を統廃合し、原則市町村税として、固定資産税が創設されました。
固定資産税として課税された税金は住民の日々の生活を支える財源として活用されています。
固定資産税は普通税(税収の使途が定められていない税)であり、徴収した市町村により、道路や学校、公園など、日々の生活で利用する公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。
土地や家屋などの固定資産が所在する市町村に、市町村税として納税します。
ただし、東京都23区内の場合は、東京都に対して都税として納税します。
固定資産を所有している個人・法人が納税義務者になります。
2020(令和2)年度では、土地に4,138万人、家屋に4,214万人が固定資産税を納税しています。
課税標準額、税率、税額、納期、それぞれの納期における納付額、納付場所などが記載された「納税通知書」が市町村から納税義務者に対して送付されます。
納期は市町村の条例により定められ、原則、年に4回の納期に分けて納税することになります。
納税者が希望すれば、1度に全額を支払うこともできます。
固定資産税として課税された税金は住民の日々の生活を支える財源として活用されています。
固定資産税は普通税(税収の使途が定められていない税)であり、徴収した市町村により、道路や学校、公園など、日々の生活で利用する公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。
土地や家屋などの固定資産が所在する市町村に、市町村税として納税します。
ただし、東京都23区内の場合は、東京都に対して都税として納税します。
固定資産を所有している個人・法人が納税義務者になります。
2020(令和2)年度では、土地に4,138万人、家屋に4,214万人が固定資産税を納税しています。
課税標準額、税率、税額、納期、それぞれの納期における納付額、納付場所などが記載された「納税通知書」が市町村から納税義務者に対して送付されます。
納期は市町村の条例により定められ、原則、年に4回の納期に分けて納税することになります。
納税者が希望すれば、1度に全額を支払うこともできます。
固定資産税の計算式
固定資産税はどのように納税額が決められるのでしょうか。
= 計算式 =
【税額】 = 課税標準額 × 税率(1.4%)
地方税法第349条では、固定資産の価格とされています。
市町村長が、総務大臣が定めた基準(固定資産評価基準)に基づいて、1つ1つの固定資産を評価し、価格の決定がされます。
土地や家屋の固定資産は、3年に一度評価が見直されます。
納税者の負担感に配慮し、評価額に対して低い場合や評価額が急激に上昇した場合でも税負担をゆるやかに上昇させるよう、負担調整措置という仕組みが講じられています。
ただし、住宅用地のように課税標準の特例措置(課税標準額を減少させる措置)が適用される場合など、必ずしも価格と課税標準額が一致するとは限りません。
= 計算式 =
【税額】 = 課税標準額 × 税率(1.4%)
地方税法第349条では、固定資産の価格とされています。
市町村長が、総務大臣が定めた基準(固定資産評価基準)に基づいて、1つ1つの固定資産を評価し、価格の決定がされます。
土地や家屋の固定資産は、3年に一度評価が見直されます。
納税者の負担感に配慮し、評価額に対して低い場合や評価額が急激に上昇した場合でも税負担をゆるやかに上昇させるよう、負担調整措置という仕組みが講じられています。
ただし、住宅用地のように課税標準の特例措置(課税標準額を減少させる措置)が適用される場合など、必ずしも価格と課税標準額が一致するとは限りません。
課税標準の特例措置や減税措置、免税点について
住宅やマンションなど、居住できる建物の敷地を「住宅用地」といいます。
住宅用地は、税負担を特に軽減する必要があるため、その面積によって特例措置が講じられます。
= 住宅用地特例 =
「200㎡以下」の住宅用地は、課税標準額が「価格の6分の1」に軽減されます。
「200㎡を超える」住宅用地は、超えた部分の課税標準額が「価格の3分の1」になります。
この特例により、「土地を更地にしておく」よりも「住宅用地として活用する」ことによって、固定資産税を節税するという見方ができます。
ただし、節税効果を狙った安易な活用は望ましくないでしょう。
将来は人口減少が予測されておりますので、この制度設計については見直しする必要があるのではないでしょうか。
また、場合により減額措置(税額を減少させる措置)が適用されることがあります。
例えば、次のような減額措置があります。
= 新築住宅特例 =
2024年(令和6年)3月31日までの間に新築された住宅には減額特例が適用されます。
特例内容は「一般住宅」と「長期優良住宅」で異なります。
1. 一般住宅
(1) 一般の住宅((2)以外)
- 期間:3年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
(2) 3階建以上で準耐火・耐火構造を有する住宅
- 期間:5年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
2. 長期優良住宅
(1) 一般の長期優良住宅((2)以外)
- 期間:5年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
(2) 3階建以上で準耐火・耐火構造を有する長期優良住宅
- 期間:7年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
また、例えば大阪市では、同一区内で所有する土地・家屋・償却資産のそれぞれの資産の税額を算出する基礎となる課税標準額の合計額が、次の額(免税点といいます。)に満たない場合には、課税されません。
- 土地:30万円
- 家屋:20万円
各市町村によって異なる場合があります。
詳細は、それぞれの固定資産がある各市町村に確認ください。
住宅用地は、税負担を特に軽減する必要があるため、その面積によって特例措置が講じられます。
= 住宅用地特例 =
「200㎡以下」の住宅用地は、課税標準額が「価格の6分の1」に軽減されます。
「200㎡を超える」住宅用地は、超えた部分の課税標準額が「価格の3分の1」になります。
この特例により、「土地を更地にしておく」よりも「住宅用地として活用する」ことによって、固定資産税を節税するという見方ができます。
ただし、節税効果を狙った安易な活用は望ましくないでしょう。
将来は人口減少が予測されておりますので、この制度設計については見直しする必要があるのではないでしょうか。
また、場合により減額措置(税額を減少させる措置)が適用されることがあります。
例えば、次のような減額措置があります。
= 新築住宅特例 =
2024年(令和6年)3月31日までの間に新築された住宅には減額特例が適用されます。
特例内容は「一般住宅」と「長期優良住宅」で異なります。
1. 一般住宅
(1) 一般の住宅((2)以外)
- 期間:3年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
(2) 3階建以上で準耐火・耐火構造を有する住宅
- 期間:5年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
2. 長期優良住宅
(1) 一般の長期優良住宅((2)以外)
- 期間:5年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
(2) 3階建以上で準耐火・耐火構造を有する長期優良住宅
- 期間:7年度分
- 減額割合:2分の1
- 対象床面積:居住部分に係る床面積で、120㎡が限度(120㎡を超えるものは120㎡相当分まで)
また、例えば大阪市では、同一区内で所有する土地・家屋・償却資産のそれぞれの資産の税額を算出する基礎となる課税標準額の合計額が、次の額(免税点といいます。)に満たない場合には、課税されません。
- 土地:30万円
- 家屋:20万円
各市町村によって異なる場合があります。
詳細は、それぞれの固定資産がある各市町村に確認ください。
都市計画税について
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課する税金です。
都市計画税は、1919(大正8)年、都市計画事業に必要となる費用に充てるために創設された「都市計画特別税」に流れを持ち、1940(昭和15)年に目的税として、創設されました。
その後、1950(昭和25)年のシャウプ勧告により、都市計画税は一旦、廃止され、水利地益税に実質的に吸収されましたが、1956(昭和31)年に都市計画税が復活し、現在に至ります。
普通税(税収の使途が定められていない税)である固定資産税と異なり、都市計画税は目的税(一定の政策目的を遂げるために、税収の使途が定められている税)です。
市町村の発展のため、都市計画事業や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
都市計画税を課税するかどうかは、それぞれの地域における都市計画事業等に応じて、市町村の自主的な判断(課税する場合は条例が必要)に委ねられます。
なお、大阪市では、全ての地域が都市計画区域となっており、ほぼ全域で課税されています。
都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村に納税します。
なお、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税します。
2021(令和3)年4月1日現在、都市計画税を課税している団体は日本全国で644団体です。
日本全国の市町村総数は1,719団体(東京特別区は1団体として計上)であるため、日本全体で約3分の1の市町村が課税をしていることになります。
市街化区域内に土地や家屋を所有している個人・法人が都市計画税を納税します。
令和2年度では、土地に2,220万人、家屋に2,768万人が都市計画税を納税しています。
= 都市計画事業 =
都市計画施設の整備に関する事業(1)や市街地開発事業(2)のことをいいます。
(1) 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナル、公園、緑地、広場、墓園、水道、電気、ガス、下水道、ゴミ処理場など
(2) 土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、市街地再開発事業、新都市基盤整備事業など
= 土地区画整理事業 =
都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる「土地の区画形質の変更」および「公共施設の新設または変更」に関する事業をいいます。
都市計画税は、1919(大正8)年、都市計画事業に必要となる費用に充てるために創設された「都市計画特別税」に流れを持ち、1940(昭和15)年に目的税として、創設されました。
その後、1950(昭和25)年のシャウプ勧告により、都市計画税は一旦、廃止され、水利地益税に実質的に吸収されましたが、1956(昭和31)年に都市計画税が復活し、現在に至ります。
普通税(税収の使途が定められていない税)である固定資産税と異なり、都市計画税は目的税(一定の政策目的を遂げるために、税収の使途が定められている税)です。
市町村の発展のため、都市計画事業や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
都市計画税を課税するかどうかは、それぞれの地域における都市計画事業等に応じて、市町村の自主的な判断(課税する場合は条例が必要)に委ねられます。
なお、大阪市では、全ての地域が都市計画区域となっており、ほぼ全域で課税されています。
都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村に納税します。
なお、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税します。
2021(令和3)年4月1日現在、都市計画税を課税している団体は日本全国で644団体です。
日本全国の市町村総数は1,719団体(東京特別区は1団体として計上)であるため、日本全体で約3分の1の市町村が課税をしていることになります。
市街化区域内に土地や家屋を所有している個人・法人が都市計画税を納税します。
令和2年度では、土地に2,220万人、家屋に2,768万人が都市計画税を納税しています。
= 都市計画事業 =
都市計画施設の整備に関する事業(1)や市街地開発事業(2)のことをいいます。
(1) 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナル、公園、緑地、広場、墓園、水道、電気、ガス、下水道、ゴミ処理場など
(2) 土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、市街地再開発事業、新都市基盤整備事業など
= 土地区画整理事業 =
都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる「土地の区画形質の変更」および「公共施設の新設または変更」に関する事業をいいます。
都市計画税の計算式
都市計画税はどのように納税額が決められるのでしょうか。
= 計算式 =
【税額】 = 課税標準額 × 税率(0.3%)
固定資産税の課税標準額(固定資産評価基準に基づき算定された土地又は家屋の価格)に対して税率を掛けた額が税額になります。
なお、税率については、課税市町村の条例で決めることができますが、0.3%を超える税率にすることはできません。
固定資産税と同様に特例措置が適用される場合があります。
= 計算式 =
【税額】 = 課税標準額 × 税率(0.3%)
固定資産税の課税標準額(固定資産評価基準に基づき算定された土地又は家屋の価格)に対して税率を掛けた額が税額になります。
なお、税率については、課税市町村の条例で決めることができますが、0.3%を超える税率にすることはできません。
固定資産税と同様に特例措置が適用される場合があります。
課税標準の特例措置や免税点について
例えば大阪市では、都市計画税も、住宅用地は、税負担を特に軽減する必要があるため、その面積によって特例措置が講じられます。
= 住宅用地特例 =
「200㎡以下」の住宅用地は、課税標準額が「価格の3分の1」に軽減されます。
「200㎡を超える」住宅用地は、超えた部分の課税標準額が「価格の3分の2」になります。
また、例えば大阪市では、固定資産税が課税されない場合は、都市計画税も課税されません
各市町村によって異なる場合があります。
詳細は、それぞれの固定資産がある各市町村に確認ください。
= 住宅用地特例 =
「200㎡以下」の住宅用地は、課税標準額が「価格の3分の1」に軽減されます。
「200㎡を超える」住宅用地は、超えた部分の課税標準額が「価格の3分の2」になります。
また、例えば大阪市では、固定資産税が課税されない場合は、都市計画税も課税されません
各市町村によって異なる場合があります。
詳細は、それぞれの固定資産がある各市町村に確認ください。
終わりに
今回は、「固定資産税と都市計画税の違いや計算式」について、お話し致しました。
毎年4月から5月頃になると、各市町村から固定資産税等が通知されています。
その度に、所有されている不動産について、お考えになることもあるでしょう。
最近では、都市部に不動産を所有されている方であれば、固定資産税が上がるということも珍しくないかもしれませんが、その不動産の評価額も上がっていますので、複雑な気持ちにもなるかもしれません。
固定資産税の通知があったときにはぜひ、固定資産税やその金額の基準となっている固定資産税評価額、また関連する路線価、地価公示について、理解を深めていただくとよろしいのではないでしょうか。
毎年4月から5月頃になると、各市町村から固定資産税等が通知されています。
その度に、所有されている不動産について、お考えになることもあるでしょう。
最近では、都市部に不動産を所有されている方であれば、固定資産税が上がるということも珍しくないかもしれませんが、その不動産の評価額も上がっていますので、複雑な気持ちにもなるかもしれません。
固定資産税の通知があったときにはぜひ、固定資産税やその金額の基準となっている固定資産税評価額、また関連する路線価、地価公示について、理解を深めていただくとよろしいのではないでしょうか。