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「不動産一括査定サイトの利用方法」と「不動産業者の選び方」

仲介業者はどのように選べば良いでしょうか

不動産を売却するためには、どのようにすれば良いのでしょうか。不動産業者と担当者をどのようにして選べば良いか、聞きたい方が多いようです。

また、最近では、不動産一括査定サイトを利用する方が増えていますが、どのように利用すれば良いか、聞きたい方が多いようです。

そこで、不動産一括査定サイトの利用方法と不動産売却時の仲介業者の選び方について、お話しします。

一括査定サイトだけを利用すればよいというわけではない

「不動産一括査定サイト」のことや、「不動産業者の選び方」については、多くの方にとって関心があることでしょう。
しかし、正直に申し上げますと、私には気が進まない話題の1つです。
ややもすると、否定するようなことを申し上げる可能性があるからです。

しかしながら、私が知っていることをお伝えしておくことや私の考え方をお伝えしておくことには意味があることであると考え、お話しすることにしました。

Webサービスで決めても良いか

さて私事ではありますが、スニーカーを新調しようと思っておりまして、あるメーカーの商品を候補に考えました。
その商品は、メーカーの自社サイトやECサイトなどWebで購入することもできますが、Webサービスでスニーカーを購入する場合、最も気になることの1つはサイズでしょう。
そこで、さまざまなWebサイトやクチコミを検索し調べてみましたところ、概ね普段履いているスニーカーのハーフサイズかワンサイズ大きいものを購入すると良いとありました。

ここで、皆様ならば、どのようにするでしょうか。
メーカーの自社サイトやECサイトなどWebサービスを使って、普段履いているスニーカーのハーフサイズかワンサイズ大きいものを購入されるでしょうか?

ここまで申し上げれば、おそらく皆様お気づきでしょう。
実際に店舗に行ってそのスニーカーを履いてみること、そして店舗のスタッフの方のアドバイスを聞いてみること、おそらくこれがベターであると。

先ほどのスニーカーに関して、さまざまなWebサイトやクチコミを検索し調べてみましたところ、概ね普段履いているスニーカーのハーフサイズかワンサイズ大きいものを購入すると良いとありましたが、全員がまったく同じ答えではありませんでした。
人によって、異なるのです。
私は歩き方や靴の専門家ではありませんが、どのような足型をして、どのような歩き方をしているのか、まったく同じ人はいないでしょう。
一方で、洗剤など日用品で、普段から同じものを購入し利用している商品であれば、Webサービスは手軽で便利な購入手段です。
手軽に購入したいのであればWebサービスを利用しますが、足にあったスニーカーを選びたいのであれば、実際に店舗に行くべきでしょう。

人生のパートナーをどのようにして選びますか?

私たちが扱っているものは、不動産です。
不動産も、1つとして同じ不動産はありません。
また、売却や購入による金額、その手続きに必要なコミュニケーションなどを考えれば、安易に決めるべきではないと、皆様、心の中ではお気付きでいらっしゃるはずです。

あなたは人生のパートナーを、Webサービスを使ってワンクリックで選ばれますか?
実際にお会いして、何度か共にし、ご両親など信頼される方に相談されたうえで決められませんか?
不動産は、人生で何度も取引する商品ではなく、また、おそらく最も高額な取引を行う商品です。
慎重に検討されることは、ごく自然なことのように私は考えます。

一括査定サイトの利用は不動産売却の第一歩

現代では、さまざまなサービスがWebでできるようになっており、不動産売却についても、不動産一括査定サイトが複数あります。
それぞれ利用者様が簡単に利用できるよう工夫されており、入力等にも手間や時間がかからないと謳われているものが多いようです。

査定価額の精度

各種サイトには多くの不動産業者が登録されており、不動産一括査定サイトで入力された情報がそれぞれの不動産業者へ送られます。
近頃では、AIチャットボット「ChatGPT」というサービスが話題となっています。
現在では、送られた情報をもとに、不動産業者の営業担当者が調査を行い、利用者の方へ結果が送られるようになっていますが、将来は人的な力ではなくAIによって解答されるようになるかもしれません。

ポイントは、実際に誰も対象の不動産を見ておらず、また利用者様の詳しい事情や思いを知ることなく、査定を行なっていることです。

不動産一括査定サイトで入力された情報によって、対象不動産の土地面積や建物面積、建物の建築年数などは、以前ブログでも取り上げました登記情報などから取得することができます。
また場所が特定できれば、地域の各種法令上の制限などもある程度調査を行うことができますので、おおよその金額査定を行うことはできます。
当然これらの情報に基づく調査は、どの不動産業者であっても同様に行いますので、大きな違いはでません。
そのため、不動産業者の一括査定による金額に違いは、他の査定業者との駆け引きであり、業者の判断によるところが大きいと思われます。
実際の取引金額よりも高額の査定を行い、言葉上手にあたかも実行できるような説明をされることも考えられます。

不動産一括査定サイトはなぜ「無料」で利用できるか

不動産一括査定サイトから得た情報は、各業者とも自らの案件にしたいという思いは相当に強いと考えてください。
もし、不動産一括査定サイトを利用されるようなことがあれば、その業者に対して、不動産一括査定サイトの運営業者にどれくらいの費用を払っているか、聞いてみてください。
答えてくれる業者があるかはお約束できませんが、おそらく皆様が想像されているよりも高額な費用を払っています。
そのため、不動産業者は、利用者様に対して執拗に営業セールスを行います。

利用者様にとっては、対象不動産を売却した場合どれくらいの金額で売却できるか、調べてみたいという思いから、利用される方も多くいらっしゃると思います。
無料で利用することができますので、良い方法のように思われます。
しかし、その問合せをすることによって、不動産業者は運営業者に対して高額な費用を払っています。
不動産業者からみれば、費用に見合った売上を上げなければなりません。
この思いの強さの違いが、利用者様と不動産業者の不満につながっていることでしょう。
実は、不動産一括査定サイトは、不動産業者も決して満足しているサービスとは言えません。

不動産一括査定サイトに登録している不動産業者は、ある程度の資金力がなければ、サービスを維持することができません。
1. 問合せがあった利用者様のうち、何パーセントのお客様が実際に売却を行なわれたか?
2. 売却された利用者様は、何件の不動産業者に問合せを行ったか?
3. 売却された利用者様から、どれくらいの売上を上げることができたか?

これらの数字と、運営業者へ支払っている経費と比べて、採算が合うか?
不動産業者は、対象不動産の売却を行うまで、報酬を得ることはできません。
問合せをいただいてから対象不動産の売却を行うまでには、相応の日数がかかります。
その間にも、運営業者への支払いは発生しています。
これが、不動産業者にある程度の資金力がなければ、不動産一括査定サイトへの登録を維持することができない理由です。

無料で利用できるサービスほど、心配なサービスはないと言われます。
不動産一括査定サイトについては、登録している不動産業者が、運営業者に対して、高額な費用を払っていることによって維持されています。
運営業者のスポンサーは、登録している不動産業者です。
皆様は、そのことをご理解いただいたうえで、利用なさると良いでしょう。

不動産売却時に仲介業者と担当者はどう選ぶのか

現在はWebサービスが進化しており、情報収集など多くの面でなくてはならないものとなっておりますが、実際に不動産売却を行う場合は、不動産業者と担当者に頼らなければならないでしょう。
どのように不動産業者と担当者を選べば良いか、考えていきましょう。

大切なことは何か

先述しましたAIチャットボットChatGPTは、素晴らしい可能性を秘めた対話型サービスのようです。
通常のチャットボットと同じくテキスト入力用スペースがあり、そこに質問やコマンドを入れると「回答」という形で文書を作成します。
「なぜ空は青いのか?」という質問でも答えてくれます。
「自動車メーカー向けに部品を製造しているが、部材コストが上昇したので、値上げをしたい。メーカーに相談したところ、値上げをするならば他社へ変えると回答されました。どのようにすれば良いか?」というような質問でも答えてくれます。

しかし、現段階のところ、ChatGPTは、受け答えの正しさよりも、自信満々かつスムーズにウソをつくサイコパスのような印象を受けます。
ChatGPTはインターネット上にあるデータによって教育されているため、フェイクニュースによる誤った情報に基づいた回答をすることもありますし、逆に正しい回答をすることもあります。
むかしは、新聞に書いてあることは正しいと信じていた国民が、メディアを操る政府のプロパガンダに乗せられてしまいました。
それがインターネットの時代になると、「SNSの情報」や「ググって見つけた情報」が正しいと、多くの人が信じ込むようになってしまいました。
GhatGPTがMicrosoft社の検索エンジンに使われるようになるようですが、その流れはさらに加速するでしょう。
今後は、ChatGPTによる回答が正しいと信じた人々によって、誤った情報が拡散する時代が来ようとしています。

私はテクノロジーを否定するつもりはまったくありません。
むしろ、テクノロジーの進化は必然であり、うまく活用すれば大いに役立つものと期待しています。
しかし、この「GhatGPT」について、あたかも知能があるかのように振る舞うことは、とても危ういと危惧しています。
言葉の並べ方が上手で、口先が達者で、あたかも価値を提供しているような中身がないコンサルタントのようなものです。
長くなりましたが、私が「GhatGPT」を引用した理由は、仲介業者やその担当者の言動、またその仲介業者のホームページに書かれている内容に対して、信用できるか否かを判断する目利きが必要であると、考えているためです。

方法は自由、目利きが大切

仲介業者は、不動産一括査定サイトを通じて、ご相談されることも1つの方法です。
地元や近くの不動産業者の店舗事務所へ訪問されて、ご相談されることも1つの方法です。
各種Webサービスや各社ホームページを検索・閲覧して、ご相談されることも1つの方法です。
ご友人や知人の方からご紹介していただいて、ご相談されることも1つの方法です。
どのような方法でも良いと思います。
信頼できる不動産業者や担当者、一緒に仕事をしたいと思える不動産業者や担当者は、大手の仲介業者にもいらっしゃいますし、中小や地場の仲介業者にもいらっしゃいます。
また、逆も然りです。
信頼できない、一緒に仕事をしたいと思えない不動産業者や担当者は、大手の仲介業者にもいらっしゃいますし、中小や地場の仲介業者にもいらっしゃいます。

どのような方法で探していただいても良いでしょうが、結局のところ、大切なパートナーを探す気概で望んでいただくより、ほかはないでしょう。
敬意があるかどうか、ご自分との相性はどうか、仕事ができるかどうか、結果を出してくれるかどうか、そのような点からしっかりとお相手をお選びください。

終わりに

将来は、テクノロジーの進化によって、不動産の売却もWebで行われるような時代が到来する可能性があります。
とても楽しみなことであり、ポジティブなことと考えております。
しかしながら、現在のところ、不動産業者やその担当者の力を借りなければ、不動産の売却はなし得ないでしょう。

不動産一括査定サイトは、便利なサービスであると思います。
しかしながら、先述しましたように、登録している不動産業者には高額な経費が発生しているため、売上を得ようと必死に営業を行うことが予想されます。
無料で便利なサービスを利用しているわけですから、受け入れていただくべきでしょう。
利用するかどうかは、皆様でご判断なさってください。
前もって知っていただいていれば、対応は違うはずです。

私たちも、皆様に選んでいただけるように、謙虚に、堅実に、誠実に、成長し、結果を出せるようにならなくてはなりません。
それには何も複雑なテクニックやスキームはありません。

現代はさまざまなサービスやツールが存在し、将来はより進化していくことでしょう。
不動産の実務も多岐に渡り、またどんどん複雑になっております。
ついていくことに必死です。
しかし、ついていかなくては脱落してしまいます。
成長が止まり、進化についていけなくなってしまった不動産業者や担当者とは、力量に差を感じています。
どうしてもベテランやご年配の方々が進化についていけなくなるケースが多く、人柄は良くても仕事をご一緒するには不安を感じることが少なくありません。
不動産売却の仲介は大切な仕事ですので、私たちもシビアにならなくてはなりません。
お客様をはじめ、関係者の方に迷惑をかけてはいけません。
不動産の売却を、同世代で人柄の良い方にお任せなさることも良いですが、安心できる取引ができるかどうか、見極めてください。